憲法 草案起草者も疑問
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日本国憲法の基本となったマッカーサー草案起草の運営委員長だったキーマン、ケーディス陸軍大佐は1984年、憲法が一度も改正されていないことに驚き、こう語った。
「私はもう、どこかの条項が改正されているとばかり思っていました」
産経新聞2月24日付朝刊の読書面に、田久保忠衛・杏林大学名誉教授による西修・駒沢大学名誉教授の著書『証言でつづる日本国憲法の成立』の書評が掲載されていた。田久保氏はこう断じていた。
「日本国憲法の恥辱に満ちた成立過程がこれだけ明るみに出てしまうと護憲説とは何なのか、疑問が残るだけだ」
田久保氏は「事実を追っていくうちに、さながら推理小説に没頭しているかのような心境に入り込む」とも書いている。確かに、連合国軍最高司令部(GHQ)メンバー8人を含む西氏による生々しいインタビュー記録を読むと、いまさらながらにこの憲法とは何なのかと改めて考えさせられる。
みんな近視眼的だった
例えば、日本国憲法の基本となったマッカーサー草案起草の運営委員長だったキーマン、ケーディス陸軍大佐は1984年、憲法が一度も改正されていないことに驚き、こう語った。
「私はもう、どこかの条項が改正されているとばかり思っていました」
「私たちが考えていたのは、第3章の基本的人権に関する条項は、必ず国民投票に付さなければいけないけれども、ほかの条項は、国会の決議で足りるというものでした」
つまり、現在では護憲派の信仰の対象にすらなっている9条にしても、国会決議で改正できると想定していたというものである。
また、草案の「立法権」の章を担当したハウゲ海軍中尉は「戦争放棄条項」を盛り込んだことに関して、こう証言する。
「民政局のほとんどの人は、将来を見通していなかったといってよいでしょう。大体みんな近視眼的にものを見ていた」
さらに草案の「行政権」の章を起草したエスマン陸軍中尉は、米国が憲法草案を書いたこと自体について、こんな感想を披露した。
「このようなことは不幸な出来事だと思いました。なぜなら、米国の軍人や弁護士によって作成された憲法は、正当性を持ちえないと感じたからです」
「たとえ占領の目的を達成するためであっても、憲法が外国人の作品として書き上げられるのは正しい方法ではない」
日本社会の倒錯
直接草案起章にかかわっていなくても、当時GHQに所属していたウィリアムズ民生局立法課長は「当時、民生局で(憲法の)日本語が十分でないということが、認識されていた」と指摘し、こう語る。
「知的な日本人なら、日本国憲法に書かれている日本語が奇妙であることに気づくはずです」
西氏が共産党や社会党(当時)が改憲に反対していると伝えると、ウィリアムズ氏は反論した。
「内容を変えないで、完全な読みやすい日本語に変えるだけですよ。共産党も、社会党も、新聞も、あなたを支持すると思いますよ。(中略)日本国民のだれもが理解できるような、そして正しい日本語に変えるべきだ」
その通りだと思うが、実際は、たったそれだけのことでも共産党も現社民党も新聞も反対するだろう。
つくった当事者たちに、これほど疑問を示される憲法を妄信し、後生大事にしてきた日本社会の倒錯を思わざるを得ない。
貴重な証言を発掘した西氏は、2月28日には自民党憲法改正推進本部の会合に招かれた。
産経新聞 平成31年3月7日 極言御免より
「正しい日本の歴史」 (目次)
http://rekisi.amjt.net/?page_id=9