中国の本質

On 2017年10月20日

 

中華思想の源流

 

黄文雄の「歴史とは何か」(自由社)
<日・中・台・韓>の歴史の差異を巨視的にとらえる
 
 黄河文明として生まれた中華文明は、他の三大文明が後進の新たな文明の誕生の下に滅んでいったのに対して、現在の中華文明にまで引き継がれ発展しています。その大きな要因として北方に戦争に強い騎馬遊牧民族がおり、これと絶えず戦争が続く過程で周辺の他の文明を飲み込む形で絶えず拡大を続けたことを著者は挙げています。
 他の三大文明の周辺ではその後複数国家が共存する「国家文明」が生まれたのに対し、中華文明では、国家という観念はなく、したがって国境もなく、その代わり、中華文明を主宰する天子が支配する「天下」という観念の下に統治する地域はその天子に力次第で伸縮自在のものとなっていくわけです。「天下王土に非ざるものなし」という「王土王民」思想です。
 有徳の天子が支配する王土ですが、天子は戦争によって生まれます。したがって、天子になるための戦争にはあらゆる手段が許され、戦争は限りなく残酷なものになっていく、と著者は言います。中国史を見ると大虐殺、屠城があたかも行事のように連なっているのはこの原理によるわけです。
 これに対して、「国家文明」の下では、戦争を抑止する方向に歴史は進んできました。国家による戦争は国家が共存することを前提にした戦争ですからそこに戦争を回避する、あるいは犠牲者を少なくするような抑制は働いてきます。つまり強きも弱きもともに従わなければならない法や規則ができてくるのですが、中華文明にはこうした考えは生まれませんでした。

 

 

日本語原文:http://hassin.org/01/wp-content/uploads/ko3.pdf
英訳文:http://www.sdh-fact.com/CL/KO-BUNYU-No.3.pdf

 

 

 

正しい日本の歴史

http://rekisi.amjt.net/?page_id=9

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